またまた間が開いてしまいました。ちょっと気を許すと、あっという間に日が過ぎてしまいます。
もう済州島に行ってきたのも、かなり前の話になってしまいました。
それでも、是非書いておきたいことがあるので、またまた済州島の話です。
4・3事件は何によっても消すことの出来ない、済州島の痛みです。今は表面上はふさがっているけれども、ちょっと触れば血が滲み、膿が流れるような、そんな傷のように思えました。
一方で、今まさに裂かれ、傷つけられ、血が流れている傷があります。それは観光スポットとして有名な西歸浦(ソギュイポ)市のの江汀(カンジョン)村に建設中の海軍基地を取り巻く事態です。8月に行われるティーンズ平和キャンプの訪問地となったため、それが決まってからのこの1年ほど、感心は持っていたのですが、現地を訪れてみて、あまりのひどさに唖然としました… こんな横暴なことを国家が行うことなどあり得るのか… 普天間と辺野古をめぐる日本政府の対応も相当にひどいですが、カンジョンの問題はそれをさらに濃縮/蒸留したような露骨さでした。
この写真の右手に見える橋の向こうは、普通に海辺の観光地。右奥に見えるのはリゾートコンドミニアムです。ところが、橋のこっち側はまさに海軍基地の工事現場。ちなみに木にかけられている札は「ここが、警察に押されて女性が落ちた現場です」という内容。反対運動とそれを抑えようとする公権力の衝突の激しさがうかがえます。
道路の左側一帯が工事現場です。右側には所狭しと横断幕が掲げられています。
工事現場入口です。建設反対運動を警戒して、警備員が常駐しているようです。
通称『平和の家」です。基地建設反対運動の本拠地です。辺野古の運動本部がテントなのに比べて、かなり立派ですね。韓国の運動の規模や底力がうかがえます。その分、当局の圧力も激しいのですが…
近くの埠頭に立って、海側から建設現場を眺めました。ここはクロンビ海岸といって、巨大な一枚板で出来た磯がずっと続く場所で、韓国の天然記念物として指定されています。またその岩のあちこちには珍しいさまざまな品種の動植物が生息しているのです。まさにその場所に、その一枚岩の一部地域を爆破しながら海軍基地が建設中なのです。なんという暴挙… 辺野古の海兵隊基地建設とはまた違って、ここでは住民の反対運動が立ち上がる前に矢継ぎ早に建設が進められました。住民のほとんどが、新聞記事で建設が決定したことを知った、という抜き打ち的なやり方だったそうです。事前に話は聞いていたものの、実際にその現場を見ると、あまりのひどさに、あまりの進度の速さに、そしてあまりの取り返しのつかなさに、言葉を失いました。口をついて出てくるのは「こりゃひどいわ…」という言葉のみでした…
埠頭の先には十字架が立てられていました。人間の暴挙によって豊かな自然が、そしてその豊かな自然と共存してきた人々の生活が踏みにじられていく… そこはまさに十字架が立つべき場所でした。
さて、この重いテーマを、中学生たちにどのように伝えるのか… キャンプ本番まで1ヶ月を切りました。済州島どころか、韓国も、いや海外さえ初めてであろう子どもたちに、4・3とカンジョン村を通じて「平和とは何か?」を伝えなければなりません。通訳兼コーディネーターを気軽に引き受けたものの、このキャンプを成功させることの至難さに、今さらながら身震いする思いです。
とにかく、やるしかない、か….
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>あかもいさむさん
ありがとうございます。先生も釜山で파이팅!!